秩父三十四ヶ所観音巡り

秩父三十四ヶ所観音巡り(INDEX)

  2月、3月、4月と月一回秩父へ通い、3日で無事結願することができた。最初の二日は全て歩いて巡ったが、最後の一日は所沢に住む友人の車に甘えてしまった。特に30番以降はなかなか歩いて回ることは余程時間と体力に自信がある人でないと難しそうだ。

  秩父霊場巡りは鎌倉時代にはその原型が出来上がり、室町時代には日本百観音巡りが全国に広がったようだが、先人たちの深い信仰心にはただ感心するのみだ。私なんぞは信仰心と言うよりは趣味の写真とウォーキングのためみたいなものだが、昨今の不況で健康よりも先に商売繁盛、社運隆昌を願い手を合わせる我が姿に驚く。

  広島の友人が最近四国八十八ヶ所巡りをスタートしたとか・・・。私もまずは百観音巡りを終えたあと、お遍路さんの姿でゆっくりと四国を巡ってみたいものだ。

1 2009/2/1(日) 札所巡りのスタート・第一番札所「四萬部寺」
2 2009/2/1(日) 山中無住の札所・第二番札所「真福寺」
3 2009/2/1(日) 田んぼの向こうは第三番札所「常泉寺」
4 2009/2/1(日) 石仏あふれる第四番札所「金昌寺」
5 2009/2/1(日) ぽつんと寂しく第五番札所「語歌堂」
6 2009/2/1(日) 武甲山を正面に第六番札所「卜雲寺」
7 2009/2/1(日) 秩父一大きな本堂第七番札所「法長寺」
8 2009/2/1(日) カエデの大木が茂る第八番札所「西善寺」
9 2009/2/1(日) 安産と子育て観音第九番札所「明智寺」
10 2009/2/1(日) 大きな地蔵さんが出迎え第十番札所「大慈寺」
11 2009/2/1(日) 夕陽に映える第十一番「常楽寺」
12 2009/2/1(日) 重厚な風格漂う第十二番「野坂寺」
13 2009/3/8(日) 街ナカ幼稚園併設の第十三番札所「慈眼寺」
14 2009/3/8(日) 神仏分離の第十四番札所「今宮坊」
15 2009/3/8(日) 白壁・蔵造りの第十五番札所「少林寺」
16 2009/3/8(日) 梅花爛漫の第十六番札所「西光寺」
17 2009/3/8(日) 梵鐘に百観音が鋳出された第十七番「定林寺」
18 2009/3/8(日) 名匠の手がけた第十八番札所「神門寺」
19 2009/3/8(日) 大きな岩盤の上に立つ第十九番「龍石寺」
20 2009/3/8(日) 荒川河岸に建つ第二十番「岩之上堂」
21 2009/3/8(日) 火除けの観音様第二十一番「観音寺」
22 2009/3/8(日) ユニークな仁王様が出迎える第二十二番「童子堂」
23 2009/3/8(日) 秩父盆地を眼下に第二十三番「音楽寺」
24 2009/3/8(日) 鬱蒼とした樹木に囲まれた第二十四番「法泉寺」
25 2009/3/8(日) 弁天池の畔に立つ第二十五番「久昌寺」
26 2009/4/4(土) 奥の院が素晴らしい第二十六番「円融寺」
27 2009/4/4(土) しだれ桜が満開の第二十七番「大渕寺」
28 2009/4/4(土) 奥の院は鍾乳洞の第二十八番「橋立堂」
29 2009/4/4(土) 四季の花々が美しい第二十九番「長泉院」
30 2009/4/4(土) 庭園が素晴らしい第三十番札所「法雲寺」
31 2009/4/4(土) 札所最西端の霊場第三十一番「観音院」
32 2009/4/4(土) 奥の院への道は険しい第三十二番「法性寺」
33 2009/4/4(土) いよいよ大詰め第三十三番札所「菊水寺」
34 2009/4/4(土) やったぞ結願の寺第三十四番札所「水潜寺」

やったぞ結願の寺第三十四番札所「水潜寺」(すいせんじ)

Photo_13 菊水寺から約15km,車では30分足らずで到着するが、歩いて巡るには札立峠を越え沢伝いにやってくるようだ。小雨がぱらつく中、いよいよ秩父第三十四番札所結願寺「日沢山水潜寺」を訪れた。入口には石標が2本立ち、一つは秩父第三十四番札所」もう一つは「日本百観音結願所」とある。これは、百観音の大悲を一寺に集め御利益を得たいとの願いにより、西国・坂東・秩父の各三十三の札所に一ケ寺を加えることとなり、水潜寺が日本百観音結願寺になったと伝えられている。

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Photo_15 沢沿いに観音堂、本堂などが立ち並ぶ。観音堂は江戸後期に再建されたもので四間四面の方形屋根を有し、周囲の環境ともマッチした結願の寺に相応しい造りだ。

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観音堂の右斜面には寺名に由来でもある「水潜りの岩屋」がある。昔から巡礼を終えた人々がこの水で身を浄めて帰って行ったとの事だ。周囲には石仏が祀られている。しかし現在は崖崩れの恐れありと立入り禁止になっている。

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左手には日本百観音結願堂が立つ。水潜寺ならではの見所も多い。

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結願堂の前には百寺の名前が記された功徳車もある。

Photo_21 足型の上で拝めば百観音巡礼の功徳があると記された結願の「お砂踏み」もある。

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仏足堂

Photo_23 秩父ならではの六地蔵

Photo_24 参道に立ち並ぶ三十三観音像

Photo_25 百観音堂裏には七観音像が立ち並び結願寺に相応しく見所満載だ。

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水潜寺

Photo_28 友人の協力も得て、3日間で秩父三十四ヶ所札所巡りを終える事ができた。素朴なこじんまりとした所が多いが、この狭い地域にこれだけのお寺が立ち存続していること。特に山間の霊場を創建した古人の信仰心、力には感服するばかりだ。本来はもっとのんびりと秩父の文化と歴史を肌で感じながら巡らねばならないのであろう。日本百観音を巡るには関東側では坂東第三十三番札所「那古寺」を残すのみとなった。

いよいよ大詰め第三十三番札所「菊水寺」(きくすいじ)

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秩父札所巡りも大詰めだ。アーチ状に八重桜が連なる。しかし蕾はまだ固い。寺の入り口には「大桜山長福寺」と刻まれた石標がある。
ここは菊水寺なのでは?と思ったが右側面に右側面に「延命山菊水寺」の文字があった。もともと長福寺であり、かつては菊水寺の別当であったのが、菊水寺が焼けご本尊がここに移されたことで、ここが札所となったとか。

Photo 30番以降山間の広い敷地を持つ霊場ばかりであったが、ここは狭い敷地に入母屋造りの堂々とした観音堂が立つ。中は土間になっていて納経所も中に設けられている。
不老長寿の霊験新たな菊水の井があったことから菊水寺の名の由来だそうだ。

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境内のしだれ桜は満開近い。

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境内には県内最古と言われる芭蕉の句碑がある。

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菊水寺

札所最西端の霊場第三十一番「観音院」(かんのんいん)

Photo 秩父札所の中で最も西の端にある第三十一番「鷲窟山観音院」に向かう。小鹿野の集落を越え、山道に入る。水子地蔵寺、トンネルを過ぎ、観音院へ到着した。

Photo_2 簡素な造りの仁王門には高さ4m日本一大きいと言われる石像の仁王像が立ち、出迎える。

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仁王門をくぐり、約300段の石段を上る。石段の両側には句碑や石像が並ぶ。この石材は裏山の観音山などから採掘された岩殿石が使われている。

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上り終えると平地になり右手前には鐘楼があり、正面には観音堂が立つ。

Photo_6 観音堂は大きな絶壁の前に立つ。コンクリート製の三間四面造りで新しい建物だ。

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観音堂の左手には水が枯れかかた聖浄の滝や宝篋印塔が並ぶ。

Photo_9 行けなかったが東西奥の院(西は立ち入り禁止)も含めると石仏は190体とか。

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観音院

奥の院への道は険しい第三十二番「法性寺」(ほうしょうじ)

Photo 三十番までは歩いて充分回ることが可能だが、これからは深い山中に入らねばならない。まずは秩父第三十二番「般若山法性寺」に向かった。秩父札所ではここだけの仁王門と鐘楼が一体となった鐘楼門が出迎える。

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門の近くには、これまた珍しい六地蔵の浮き彫りが立つ。

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山門から少し上ると本堂があり、納経所を兼ねている。上を仰ぎ見ると山の上に小さく奥の院の岩船観音を見ることが出来る。

Photo_6 さらに苔むした石段を上ると観音堂がある。その途中に毘沙門堂が立つ。岩と木々と舞台作りの観音堂が見事にマッチし、別名「秩父の苔寺」と呼ばれるとか。

Photo_7 岩肌を前に観音堂は堂々と立っていた。本尊は「お船観音」と呼ばれる聖観世音で櫂を持ち舟を漕ぐ珍しい観音様だそうだ。

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Photo_8 裏の岩壁は祠のように口を開け、子授け地蔵などが祀られている。

Photo_9 さて奥の院へ進むか迷ったが、洞門を抜け奥の院を探索することにした。

Photo_10 荒れた険しい山道が続く。ここまで訪ねる人は少なさそうだ。

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厳しい岩山だ。途中胎内観音が祀られる龍虎岩や十三仏を抜けひたすら登り続ける。

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30分ほど上ると稜線に出る。稜線を右に下ると岩船観音があり、左に上ると大日如来がある。大きな岩が横たわり鎖も繋がる。納経帳とデジイチを両手に持つ私には足がすくむ。足元まで進むことは断念し、遠目に拝み、奥の院を後にした。

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法性寺

庭園が素晴らしい第三十番札所「法雲寺」(ほううんじ)

Photo 長泉院から約7km、車で15分程のところに秩父第三十番札所「瑞龍山法雲寺」はある。歩けば秩父鉄道「白久駅」から15分ほどかかるようだ。周囲を山に囲まれた静かな佇まいだ。秩父三十番と刻まれた大きな石標の間を上ると境内だ。

Photo_2 中央に池を配し、本堂や納経所が立つ素晴らしい庭園が広がる。

Photo_3 観音堂は一段高いところにある。秩父札所の中では間違いなく一番の庭園が広がる。

Photo_4 観音堂の左横にはここにも六地蔵が並ぶ。

Photo_5 観音堂はこじんまりとした四方を回廊が包む宝形造りで江戸初期の建立とか。

Photo_6 Photo_7Photo_8 楊貴妃にまつわる逸話も多く、唐から伝わったと言われる楊貴妃の鏡が描かれた絵馬が並ぶ。安産祈願の絵馬のようだ。

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庭園には春の花も咲き乱れる。特にミツマタの黄色い花が映える。

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瑞龍山 法雲寺

四季の花々が美しい第二十九番「長泉院」(ちょうせんいん)

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また5分ほど車を走らせ、秩父第二十九番札所「笹戸山長泉院」に到着した。どこから集まったのかと思えるほど多くの観光客で賑わっていた。

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入口横には「よみがえりの一本桜」と呼ばれる枝垂桜の大木がそびえ満開だ。

Photo_15 参道に咲くこぶしの花はまだ五分咲きと言ったところか。

Photo_16 庭園は見事に整備され、四季折々の花が咲き、「東国花の寺 百ヶ寺」にも選ばれている。

Photo_17ミツバツツジはまだ蕾だ。満開時には境内が見事に紫色に染まるようだ。

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本堂は間口の広い堂々とした造りだ。江戸中期の建立と言われ、本堂と観音堂を兼ねている。

脇には火坊守護の秋葉堂が建つ。

Photo_22 笹戸山 長泉院

奥の院は鍾乳洞の第二十八番「橋立堂」(はしだてどう)

Photo_2  車で山沿いに5分ほど走ると秩父第二十八番札所「石龍山橋立堂」に到着した。門前には蕎麦屋が2軒立ち並ぶ。
武甲山の西麓、高さ65m石灰岩の絶壁前に橋立堂は立っている。江戸中期に建立された三間四面の流れ向拝を付した宝形造りだ。

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Photo_4 本尊は秩父札所の中で唯一の馬頭観世音で、日本百観音の中でも、後は西国第29番札所の松尾寺だけとか。

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大絵馬や馬の銅像や左甚五郎作と伝えられる木像が収納される馬堂など馬にちなんだものも多い。

観音堂左手、岩壁前に何の表示も無く、質素な石像が立つ。何かと尋ねた所、地元の名も無い人が彫った秩父宮殿下の像だとか。

Photo_9 左手に橋立鍾乳洞の入口がある。昔は修行の場だったようで橋立堂の奥の院と言われ、弘法大師も修行したとか。今は観光地として入場料200円で公開されている。なかなか質素な鍾乳洞で、体のでかい私にはなかなかハードであった。

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石龍山 橋立堂

しだれ桜が満開の第二十七番「大渕寺」(だいえんじ)

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秩父第二十七番札所「龍河山大渕寺」はすぐそばだ。岩井堂からは尾根伝いに巡礼道が繋がり、多くの人々がこのコースをとるようだ。
Photo_18 山門横の枝垂桜は見事に満開だ。今日は残念ながら快晴とは言えず、花曇りで もう一つ色がさえない。

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Photo_22 山門を入り、左手に本堂がある。静かな佇まいを見せている。

Photo_23 この水を飲むと33ヶ月寿命が延びると伝えられる延命水。

Photo_24 石段を上り観音堂へ向かう。広々とした境内の高台に月影堂と呼ばれる観音堂は立つ。汽車の煤煙で焼け、平成8年に再建された比較的新しい建物だ。

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Photo_26 観音堂から見下ろすと本堂の向こうに秩父の街並が見える。

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龍河山 大渕寺

奥の院が素晴らしい第二十六番「円融寺」(えんゆうじ)

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秩父札所巡りも3日目、友人の車に便乗し、まず前回の続き第二十六番札所「萬松山円融寺」を訪れた。広い間口の本堂で、なかなかお寺には見えない作りだ。境内のソメイヨシノはまだ五分咲きと言ったところ。

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納経所でご朱印をいただき奥の院への道を尋ねる。

Photo_5 車で5分ほど走り、昭和電工の敷地を抜ける。守衛さんが親切に道を教えてくれる。

Photo_6 麓の太子堂裏の駐車場に車を置き、山に入る。

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昼尚暗い300段を越す石段をひたすら登る。道の両側には石像が並ぶ。

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歩き始めて10分ほどで奥の院、岩井堂へ到着する。懸崖上に舞台作りで、江戸時代中期の建物だ。周囲の自然に見事に融け込んでいる。
寺伝によると、弘法大師もこの山で修行をしたとの事。

Photo_13 裏の崖の合間には石像が並ぶ。

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さらに奥に進むと修験堂があり、その手前には正観音坐像がある。

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